
高知にでっかいTSUTAYAが出来た。TSUTAYA中万々店だ。
何せ四国でも最大級の20万冊をおいてあるというではないか。
久しぶりに「活字中毒者」の血がさわぎ、昨日の春の大嵐のなかノコノコと出かけてきた!
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実録!TSUTAYA戦争
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「おっ、なかなか広い!しかも人が余りいない!しめしめ・・・」
(これは昨日の台風のような天気のせいである、たぶん)
奥まで潜入すると♪〜♪〜・・・おっ?JAZZも流れているではないか、
しかも所々にじっくり読んで下さいといわんばかりのイスだってある。
これは中々気が利いている。
今までの高知県内のTSUTAYAというと、コンビ二のデカイやつって感じ。
雑誌ばかりで「本」があまりなく、ちょっと内容を確認しようとも、
照明が暗く、しかも、アニメビデオを借りに来た子供が、
わいわいと騒いでいるっていうイメージ。
本好きには「本を買いに行こう!」とは思えないなぁ。
気を良くしてパラパラと品揃えを吟味し始めた、
とその時、「いらっしゃいませ、こんにちわ〜♂」と、
コンビニでおなじみのしり上がりのご挨拶が一斉にあちこちで始まった。
一説には万引き対策もあると言うこの「こんにちわコール」。
いったいどこのコンサルが考えのか?
いまや日本中「こんにちわコール」ではないか。
しかも、全国統一の節回し。気持ち悪い。
このメロディでJASRACに登録していれば、
今ごろつんくよりすごいことになっているに違いない。
それにしても、うっ、うるさ〜い!
せっかく読みはじめたというのに身がはいらんではないか。
そのうち、一人の店員のお姉さんが
「いらっしゃいませ、こんにちわ〜♂」と例のしり上がりなトーンで、
必要の無い”陳列直し”をしながら近づいてきた。
(う〜、しっ、しっ!こんな年になって万引きはしないゾ!じっくり読ませてくれ〜)
「いらっしゃいませ、こんにちわ〜♂」
(うっ、来るな・・・うぅ)
「いらっしゃいませ・・・」
(もう〜!わかった!わかった!)
「いらっしゃいませ、こんにちは〜♂」
(ん、もうー)「はい!こんにちは!」と、
大声で言ってやろうかと思ったが、ぎりぎりのところで抑えた。
大人の理性というやつだ。
しかし、おそらく私の半径1メートル内に憎悪のオーラが渦巻いていたのではないか。
1メートル以内入ったとたんに、跳ね飛ばされるようにススっと去っていった。
はぁ、はぁ、短いが激しい戦いであった。
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ま、そんなこんなで、気を取り直して、
店員さんがいない雑誌の一角へと場所を換えた。
するとそこに一筋の光が灯ったように、やたら目に付くタイトルが輝いていた。
『ガテン』(リクルート社)
http://www.isize.com/GATEN/見ると20号とかいてあったので、もうずいぶん前に出ていたのか。
「うかつであった」と同時にすごく新鮮な気持ちだった。
小野真弓の笑顔がまぶしい表紙を手に取った。
(そうか・・・『ガテン』系のお兄さんには小野真弓が好感度1番なのね。)
そんなことを考えつつ、読み進んでいくと
『ガテン』について勘違いしていた自分に気がつき始めた。
『ガテン』ってこういうことだったのね・・・
『ガテン』って素晴らしい!
私が『ガテン』についてどんな思い込みをしていたか、は
皆さんには分かろうはずがないが、たとえば文で読むガテンは、
こんな感じだったのである。
『自分は、色白・ポチャポチャ系ですから、
色黒・ガッチリBODYのガテン系のお兄さん求む』
(う〜む、これではゲイの出会い系と言う感じだなぁ、失礼しました!)
たとえば、町で見るガテンはこんな感じだったのである。
『朝7時半、剣道着より広いニッカボッカをはいたお兄さんが、
コンビニの表で焼きそばを食べながらバンに乗り込む図』
(ちょっと怖いと勝手にイメージしていた、失礼しました!)
ところが、『ガテン』を読むと、
町のしゃれたパン屋さんでおいしいパンを焼くお兄さんも(いや、お姉さんさえも)、
印刷現場で繊細な版下作っている線のほそいメガネのお兄さんも立派な『ガテン』なのである!
TV局で前説やってるADさんも、シェフをめざすあのお姉さんも、
み〜んなガテン系。
日本は『ガテン』系に支えられているのだ。
ついでによく考えてみると、私ども紙作り工場も立派な『ガテン』だったのだ!
な〜んだ、そうか。いままで怖いと思っていた
コンビニで会う”とび職人のおにいさん”。
むしろ朝早くからご苦労さん!と、声をかけたくなる!
急にその姿が身近なものに感じられるではないか。
『ガテン』は、就職情報誌としてだけではなく、
『ガテン』を理解するための立派な入門書だったのだ。
東大出ただけじゃダメ!っていう時代がもうすぐ来る、
日本は各界のマイスターによって支えられている、
そんなことを日本人皆んなが思い描いたら、
ほら、そこに、きっとガテン系の世界が開けて来る!
JRの安全は役員が保証するのではなく、
現場の運転士さんの双肩に掛かっているのですから。
頑張れ、ニッポン!頑張れ、ガテン系!
今回のTSUTAYA訪問は、これだけでも収穫か。と思いいながら、
約2時間後、まだ吹きすさぶ春の嵐のなか店を出たのであった。

繊細な紙を作っている
高知の立派なガテン系「土佐和紙のLadyRisa」はこちらから。
http://www.ladyrisa.com/