さて瞬く間に過ぎた1週間。もう帰国の時が来た。
前の晩に荷物をすっかり整理して、朝はゆっくりBERKELEYのお散歩にしよう、と決めていた。
緑の多い景色と清々しい空気、瀟洒な邸宅が並び、
道にはピカピカの高級車が路上駐車されている。
アップダウンの多い道も、次々に目に飛び込む邸宅や庭の美しさにまったく疲れを感じなかった。
ふと見ると道路沿いのひときわ大きな家が売りに出されていた。
日本円にして2億以上!
本当に芦屋か田園調布か、みたいな場所だ。
しっかり景色と空気を胸にしまいこんで、いよいよ出発。
BerkeleyからSan Francisco International Air Portまでは1時間もかからない。Jimさんのメルセデスでひとっとび!
何から何までお世話になったYokoさんJimさんに別れを告げて空港内へ。
このたびの出張は多くの人に支えられて成り立った。
会社スタッフ・BEEHOUSEスタッフ・デザイナーのYokoさんご夫妻…家族は言うに及ばず、実家や姉妹まで留守宅を守ってくれた。
以前ロンドンへ製品を出した時に、かすかな手ごたえを感じていたとはいえ、「和紙をアメリカで売る」なんて夢のようなことによく会社がGOを出してくれた、と思う。
結局このイベント単発では、実売数は希望に及ばなかったが、
「2〜3年は我慢して継続すること!必ず道は拓ける!」
とBEEHOUSEのみなさんから言葉をいただいて、ますます奮起した。
必ずこの恩に報いるように成果をあげたいと思う。
また今回は完全にビジネスで明け暮れたが、
次はSan Franciscoを拠点にして近郊も訪ねたい。
再びYosemiteにも行きたいし、
かつて過ごしたSan Luis Obispoも訪ねたい。
Los Angelsもゆっくり散策したいし、
Grand Canyonへも行きたい、なんて…
急に欲張りな気持ちになってしまった。
思えば、もう2度とアメリカの土を踏むことがあるだろうか…と考えていたのだが、あれよあれよと仕事の力を借りてまた戻ってきてしまった。
「30年ぶりの1人での渡米」という事態にも、驚くほどためらいがなかった。
来てみると昔と変っている所もあるし、
私は英語をたくさん忘れてしまっていたが、
やはり「よその国」という気がしないのが不思議だ。
自分がいま、若くてチャンスに恵まれていたら、
きっとここで仕事したり、学ぶという選択をしただろう、と確信する。
風や空気はどこか懐かしく、心地よい。
食べ物や香りにも時々甘い(?)フラッシュ・バックが起きる。
耳に入る言葉が理解できなくてもそのリズムに心臓が呼応する。
きっとどこかで繋がっていたのだ。これからもきっと。
そう信じて頑張って行こう!
十時間を越すフライト、さらに国内線を乗り継ぎ高知へついたときは、
翌日8月10日の夜、高知では熱い「よさこい」が始まっていた。